講義科目 基礎数理 (平成24年度冬学期 2012年10月〜2013年2月)
教員名    室田一雄 教授
対象     2年生(駒場)
 
時間  冬学期・月・ 2 限(10時40分〜12時10分)    2012年10月15日開講〜2012年1月28日
ただし,2012年11月26日(月)なし, 2012年11月30日(金)あり, 2013年1月15日(火)あり
場所     駒場 7号館724号室 
 
レポート 
  提出先: 駒場のアドミニストレーション棟1階ロビー レポート回収ボックス  (再履修者は計数教務室前の掲示を見ること)
期末テスト   2013年3月7日 (の見込み)
 
キーワード   写像,グラフ, 位相, 連続性,一様収束, 行列, 線形システム, 固有値,標準形
前提知識   駒場の1,2年の解析と線形代数
講義の意義、目的、応用分野等
数学の基礎概念に工学の光を当て,要するにどういうことか, どんなときに役立つか,を解説する.
講義の内容
  1. 集合 (物事の関係を整理する手法) 写像,べき集合,同値関係,順序関係,グラフ
  2. 位相 (近似の良さを扱う手法) 距離空間,ε-δ論法,連続性,一様収束,縮小写像
  3. 行列 (線形性をもつシステムを扱う手法) 方程式の可解性,正定値対称行列,Sylvesterの慣性律,固有値,特異値
について, 数理工学 の立場から解説する. 本年度の講義内容の詳細はここ.
 
補足資料
---工学における数学の役割---
I1. 現象と数理
 新幹線車両(最適設計に関する参考として)
 
---集合---
S1. 包除原理とモジュラ関数
S2. 劣モジュラ関数
S3. 同値関係
S4. 集合族とその表現
S5. Dulmage-Mendelsohn 分解
 
---位相---
T1. supとmax
T2. 収束列とCauchy列
T3. 距離空間における収束
T4. 距離空間の完備性
T5. 閉集合と開集合
T6. 有界閉とコンパクト
T7. 有界閉集合でコンパクトでない例  (無限次元空間で)
T8. 関数の連続性
T9. コンパクト集合上の連続関数
T10. 各点収束と一様収束
T11. 最良近似多項式の存在と一意性
T12. 積分の収束
T13. 縮小写像の原理
T14. 陰関数定理
T15. ラグランジュ乗数法
 
---行列---
M1. 工学の線形代数 (スライド)
M2. 混合行列の話    (講義時配布のみ)
M3. 線形独立性とマトロイド
M4. 極値としての固有値
M5. 行列の正定値性
M6. シルベスターの慣性則
M7. 特異値分解
 
---基本演習---
基本演習 第1部:集合  問題   解答
基本演習 第2部:位相  問題   解答
基本演習 第3部:行列  問題   解答
 
昔の資料のページへのリンク
Teaching Assistant (2003年度)のページへのリンク
 
参考書
齋藤正彦:数学の基礎 集合・数・位相, 基礎数学14,東京大学出版会. (標準参考書.ただし,この本に沿って講義を進めるのではありません)

伊理正夫,藤重悟:応用代数,コロナ社.
齋藤正彦:線型代数入門,基礎数学1,東京大学出版会.
齋藤正彦:線型代数演習,基礎数学4,東京大学出版会.
木村英紀:線形代数---数理科学の基礎,東京大学出版会.
伊理正夫:線形代数汎論,朝倉書店. (より進んで勉強するために)
筧 三郎:工科系 線形代数,数理工学社.

金子 晃:数理系のための基礎と応用微分積分1,2,ライブラリ理工新数学T1,T2, サイエンス社,2000,2001.
  (読みやすく書いてある本)
杉浦光夫:解析入門 I,II,東京大学出版会. (より進んで勉強するために)
杉浦光夫,清水 英男,金子 晃,岡本 和夫:解析演習, 東京大学出版会.

志賀浩二:位相への30講,朝倉書店,1988.
  (位相と距離についての概念の成立について丁寧にかいてあるお奨めの読み物)
志賀浩二:線形代数30講,朝倉書店,1988.
   (基本を丁寧に解説したお奨めの読み物;線形代数の考え方を復習したい人に)
志賀浩二:固有値問題30講,朝倉書店,1991.
   (前半が本講義の範囲;後半は無限次元の固有値問題なので本講義の範囲外だが, 明快な論旨がお奨め.量子力学の数学的基礎としても)
 
成績評価方法
 学期途中に3回程度のレポートを課す.  学期末に通常の形式の試験を行う.下の過去問のパスワードは講義で知らせる.
 過去問(平成23年度,2012年3月)
 過去問(平成22年度,2011年3月)
 過去問(平成21年度,2010年3月)
 過去問(平成20年度,2009年3月)
 過去問(平成19年度,2008年3月)
 過去問(平成18年度,2007年3月)
 過去問(平成17年度,2006年3月)
 過去問(平成16年度,2005年3月)
 過去問(平成15年度,2004年3月)
 過去問(平成14年度,2003年3月)
講義の進め方
質問の時間を途中に設けるなど,インタラクティブにする.
その他(コメントなど)
工学部の他学科の学生の聴講を歓迎する.