講義科目
「数理構造論」
東京大学大学院情報理工学系研究科
教官
室田一雄 教授
内容
離散凸解析への入門講座
日時
10月4日開講(2月まで) 金曜日 10:15〜11:45
場所
東京大学工学部6号館(本郷)
セミナー室B(3階)
内容説明

最適化の分野で最近進展した「離散凸解析」への入門である. 離散凸解析は,組合せ最適化における美しい構造とは何か, を明かにするための新しい理論であり,標語的には

離散凸解析 = マトロイド理論+凸解析」

となる.離散凸解析の一つの柱である「共役関係」は

  1. 非線形抵抗から成る電気回路における電流と電位の関係,
  2. ポテンシャル問題における微分作用素とGreen関数の関係,
  3. 数理経済学においては財と価格の関係

などを抽象化したものである.

抽象的な概念や定理のルーツを解説するのが本講義の目的であり, 凸解析やマトロイドについての予備知識は全く不要である

参考文献: 室田一雄, 離散凸解析, 共立出版, 2001.


講義科目
基礎数理
教官名
室田一雄 教授
対象
2年生(駒場)
時間帯
冬学期・月・ 2 限(10時40分〜12時10分)
10月7日開講
キーワード
写像,グラフ, 位相, 連続性,一様収束, 行列, 線形システム, 固有値,標準形,線形不等式
前提知識
駒場の1,2年の解析と線形代数
講義の意義、目的、応用分野等
数学の基礎概念に工学の光を当て,要するにどういうことか, どんなときに役立つか,を解説する.
講義の内容
  1. 集合 (物事の関係を整理する手法) 関係,写像,べき集合,濃度,グラフ
  2. 位相 (近似の良さを扱う手法) 開集合,近傍,ε-δ論法,連続性,一様収束
  3. 行列 (線形性をもつシステムを扱う手法) Jordan標準形,一般化固有値,2次形式,Sylvesterの慣性律, 単因子標準形,線形不等式系
について,数理工学の立場から解説する.
補足資料
有界閉集合でコンパクトでない例  (無限次元空間で)
優収束定理に関する例
優収束定理を理解するための 有用な例についての確認(黒木裕介君)
参考書
杉浦光夫:解析入門 I,II,東京大学出版会.
伊理正夫,藤重悟:応用代数,コロナ社.
成績評価方法
通常の形式の試験を行う.
講義の進め方
質問の時間を途中に設けるなど,インタラクティブにする.
その他(コメントなど)
工学部の他学科の学生の聴講を強く歓迎する.